屋敷に帰り執事のリーアムに事の経緯を話す。呪いの話もすれば、『旦那さまと奥様にはご相談された方がよろしいでしょう』と背中を押してくれたので、手紙で報告をした。
 両親は特に悲観もせず、『むしろ妖精を助けたことを誇りに思う、その話を直接聞く日を楽しみにしている』という内容と『隣国の術者を紹介する』というありがたい返事が送られてきた。それから数日後に早速怪しげなお札を持った術者が屋敷を訪れたが、その術者も「人間の呪いではないようなので手が出せない」と言って帰って行った。
 その後、自身とリーアムで調べた魔女と名乗る薬売りの老女に出会ったが、「生憎今は毒消しがなくてね」と言われてしまったのだった。毒消しで治るのなら次に手に入ったら売ってくれとつい嫌味を言ってしまったフィオンだった。
 フィオンはどうにもならない現実にいっときは絶望もしたが、生きていればなんとかなると両親からの手紙にも励まされ、たびたび心配をして様子を見にきてくれる団長の「戻って来い」という言葉に勇気をもらい自宅でできる仕事をすることにしたのだった。騎士団に所属をしている限りできるだけ仕事に従事したいと団長に相談すると、報告書の精査や予算の書類作成などの仕事を回してくれるようになった。
 魔女の毒消しでも気長に待つかと前向きになったところで、メリンが現れたのだった。