「へぇ、そうなんだ。昔の仲間も人間が大好きだったのってなんだか嬉しいものですね。初耳だから聞けてよかったです!」
 私のような妖精がいたことが嬉しいし、少し心強く感じた。でも私の返事に嬉しそうにしている長老には申し訳ないけれど、私が聞きたいのは呪いの解き方についてである。
「それで……」
「そう。それで、呪いの解き方についてじゃが……。昔はわしらの一族も解呪の魔法などは持っておったようだが。今や少ない魔力になってしもうたからの。そういった魔法はもう廃れた、とわしも爺さまから聞いたことがある。力になれずすまんなぁ」
 長老の言う爺さまとは、長老の前の長老のそのまた前の長老だ。ということはもうずっとずっと昔の事だ。
「そう、ですか」
 欲しかった成果は手に入らなかったけれど、それは仕方がない。最初からここで解決するとは思っていなかったのだし。でもやっぱり、少しは落ち込む。
「ありがとうございました」
 ぺこりとお辞儀をするとバイオレットのところへ向かう。