私はおじいちゃんに挨拶をしてから朝食をいただき、今のやりとりを反芻して悔しい思いをパンにぶつけていた。
 けれど、フィオンの勝ち誇った顔を思い出してパンが喉に詰まる。
 思い出したらとても可愛く思えてきて、悶絶してしまったのだった。
 優しくて包容力があって、なにか特別な力を持っているように感じるフィオンのことを好きになったけれど、そんな子どもじみたようなフィオンも大好きで困ってしまう。
 フィオンのそばにいればいるほど、フィオンのことがどんどん好きになる。