居候として屋敷に置かせてもらうことになったけれど、私は客間を与えられ、朝食も時間が合えばフィオンと一緒に食べていいということになった。すべてあのおじいちゃんの采配のようだ。おじいちゃんには感謝しかない。
 私はフィオンと一緒にいられれば部屋などなんでもいいから『フィオンの広い部屋の隅で充分』と言ったのだけれど、「フィオンさまの命の恩人なので」ということだった。
 よく考えたら私の体も大きいし、そんな部屋の隅で暮らすなんてことは難しい。でもずっと一緒にいられると思ったのにな。まぁそれが一番難しいか。
 おじいちゃんの話では、フィオンは現在怪我のリハビリのために騎士の仕事はお休みしているらしい。ずっと家にいて、在宅でできる仕事や家の仕事をしているというのだ。
 なんという良いタイミングで私はやってきたのだろう。それならば一日中一緒にいられるではないか!