「……やっぱり、怖いよな…。」
私の頬を包んでいた大きな手が、悲しげにゆっくりと離れていく。
私はその手をギュッと握り返すと、再び自分の頬へと宛てがった。
「うん、正直に言うと怖いよ?
だって…暴力とか暴走族とか、今まで私には全く縁のない世界だったし!
〝怖くない〟なんて、そんなのあるわけないよ!」
「うん。」
悲しげに揺れた彼の瞳からは、どこか覚悟のようなものが感じられて…
もし私が今〝別れたい〟と言えば、きっと彼は二つ返事で承諾してしまうんだろうな。
…あなたと別れたいなんて、思うわけないのに。
「でも…だからって、凌哉くんを好きな気持ちがなくなるなんて、絶対にありえない。
暴走族の総長だったとしても、私が好きになった優しくて真っ直ぐな凌哉くんに嘘はないんでしょ?」
「だから大丈夫。」と、最後には満面の笑みを彼に向けた。



