私とキミと、彼と







仲間のため、か…。




暴力は嫌いだし、平気で人を傷つけるような人には心底軽蔑する。


だけど、私のよく知る凌哉くんやきょんちゃんは、私が軽蔑する人種とは全然違って…

仲間や友達、周りの人を心の底から大切にできる温かい人。


そしてきっと、春陽さんや璃汰も…。










「…今まで私が見てきた凌哉くんに、嘘はないんだよね?」








不安げに俯く私の言葉に、彼は一瞬悲しそうに顔を歪ませて…

そしてその大きな手で私の両頬を包み込むと、俯く私の顔を強引に引き上げた。


まるで、〝俺の目を見ろ〟とでも言うように…










「あったりまえだろ!?


そりゃ多少のカッコつけはあったかもしれないけど…

千夏に嘘をついたことは一度もない。」







「…そっか。」









私が出会って好きになった凌哉くんに、嘘偽りなんてひとつもない。

彼の真っ直ぐな瞳が何よりも証拠だった。