私の知る凌哉くんは、誰にでも優しく親切な人。
そんな彼が誰かに暴力を振るう姿なんて、全く想像できない。
それに…今日凌哉くんの仲間として紹介されたということは、きょんちゃんもきっと…
あんなにもサッカー一筋だった男の子が、今では暴走族の一員。
あの怪我が、ここまで彼を変えてしまったのか…。
…そう思うと胸が張り裂けそうだった。
…なんかもう、今日一日で色んなことが起きすぎて頭の整理が追いつかない。
「暴走族って…
暴力とか、したりするんだよね…?」
恐る恐る尋ねると、彼は少し気まずそうに目を逸らして頷いた。
「……する。
けど、俺たちにとって暴力は、仲間を守るための最終手段で…こっちから喧嘩を売ることは絶対にしない。
…それだけは分かってほしい。」
「うん…。」



