私とキミと、彼と








病院に駆けつけるとすぐに、受付で彼の居場所を聞く。



当の本人に会うことはできなかったけど…

その代わり、医者から説明を受けた彼の母親が私に状況を教えてくれた。








「…───…靭帯、損傷…?」





「そうなの。

とりあえず今、手術をしているけど…」







〝靭帯損傷〟〝手術〟

その言葉だけで、彼がどんなに酷い怪我を負ったのか安易に想像できた。









「手術したら…、治るんですよね…?」







だって、治すために手術をするんでしょ?

手術が成功して、高校入学までの半年間リハビリを頑張れば…きっとまたサッカーできるんだよね?




「うん、大丈夫だよ。」って…そんな言葉を期待していたのに…

彼の母は、今にも泣き出しそうな顔で笑った。