席へ戻ろうと蓮斗くんから離れかけた時、私の名前を呼ぶ声が小さく聞こえたけど、 聞こえないふりをして振り返らなかった。 両想いだと思ってた。 お互いに意識しているのも分かってた。 でも蓮斗くんは何も言ってくれなかった。 それどころか、告白を断ったんだから。 「ごめん。優衣ちゃんのこと、そういうふうには見れない」 結構心に刺さったし、何年間も引きずった。 何なら今も引きずってる。 勘違いで、もう傷つきたくないから。 蓮斗くんには、もう期待しない。