「ねえ、ジーク」
「なんだい?」
「私、あなたと一緒になれてよかった」
「……僕もだよ、アイナ」

 ベッドに横たわる私と、隣に腰掛ける彼。
 すり、と優しく指輪を撫でられると、自然と頬がゆるんだ。
 もしも過去の自分に会えるのなら、私はこの人と一緒にいるよって教えてあげたいぐらいだ。

「私、今すっごく幸せ」
「今だけじゃなくて、これから先もだよ?」
「……そ、そういう話じゃなくて」

 彼はおかしそうに笑っている。
 もう、とちょっと拗ねてみせると、ごめんごめんと頭を撫でられた。



 これは、私がこの人を大好きになって、幸せだなあと思えるようになるお話。