オレンジジュースを飲む頃



「さぁ、そこに座って乾杯でもしよう」


ベンチに座った彼に倣い、私も隣に腰掛けた。

2人掛けだが、意外と幅は小さく、彼との距離は10cmといったところか。



「じゃあ、1週間お疲れ様という事で、乾杯」

「か、乾杯」



瓶と瓶を鳴らすとカチンという心地の良い音がした。

一口つけると、美味しさが口の中に広がる。


「美味しい……」

「だろ。ここで飲むオレンジジュースは格別」


この時の彼は珍しく上機嫌だった。

不思議だったのか、私は無意識に見つめ続けていた。

それに気づいた光瑠がこっちを向くと、自然と視線が絡んだ。


「どうした?何か付いてる?顔?手?」

「な、何でもない。何も付いてないから大丈夫」

「そう」