「りゅ…や…」

PiPiPiPi...........

「…るさいなぁ。」

そう言って、目覚まし時計を見た。

「え...嘘?!ちょっとお母さん!!なんで起こしてくれなかったの?!」

布団なんて、ぐちゃぐちゃのまま急いで起きた。

「え??昨日言ってくれたら起こしたのに~。」

はぁ....。

お母さんは本当にのん気だ。

あたしが昨日あんなに頼んだのに。

まぁ、目覚ましをいつも通りのセットのままにしていたあたしもバカだった。

「おはよ....。」

「柚姫。おはよう。今日は、パンでいい?」

「うん。」

いきなりだけど、あたしの名前は、木村 柚姫。

26歳。

父親はいない。

あたしが、まだ小さい頃に心臓の病気で死んじゃった。

お父さんの事は、ほとんど覚えてない。

今日は、大切な人の結婚式。

だから、急いでたのに....。

お母さんは!!

「柚姫~。今日は、結婚式なのに、なに寝坊してるのよ~。」

あなたが起こしてくれないからですよ!!

っとまぁ、心の中で思うだけにしておこう。



「そっかぁ。龍夜、本当に結婚しちゃうんだぁ....。」

「……。柚姫。いいの?」

……。

お母さんは本当に空気が読めないというか...。

天然なのか....。

「いいの!龍夜は、幸せになるんだから♪
あたし、準備してくんね。」

「ちょっと!柚姫!!」

はぁ。

自分で言って、辛かったなぁ。

しかも、今日に限って龍夜と会った日の夢みるんだもん。

キツイな。

でも、自分の事より、龍夜の事が大切。

龍夜…。

幸せになってね。