『今日はハヌルを返す気なんてないか

らな』

 自分で言っておきながら、なんてこ

と言ったんだと情けなくなってくる。

でも今は、とやかく言っていられな

い。

 「じゃあそろそろ失礼しますね」

 ハヌルはやっぱり帰ろうとしてい

る。俺は手首を掴んで引き止めた。