ー3年2組教室
「あれ!?」
ガタッと音を立てて椅子から立ち、とてつもないスピードで隅っこの席から、顎ラインで綺麗に切りそろえたショートボブヘアの背の低い女子が走ってくる。
「奈緒じゃーん!一緒なの!?」
「りお!!」
彼女の名は松本りお。好きな食べ物→グミ 嫌いな食べ物→野菜全部 テストの点数はいつも1桁。彼女もまた、とてつもなく馬鹿である。
「一緒なのって、りおクラス表見たでしょ?」
「いやぁ、クラス行ってからのお楽しみにしたくて、自分のだけみて走ってきたの」
そして、彼女も
「あ、りお。やっほ。」
絶賛片想い中である。
「か、か、かか、海里!?同じなの!?」
このキノコ頭メガネ男の名前は市川海里。口がとにかく悪いし、顔もたいして良くないが、何故かモテてしまうタイプである。
さらに、告白されたらホイホイ付き合うが飽きたら別れるという最悪なタイプだ。
「えー!やった!海里一緒なのりお馬鹿嬉しいんだけど!」
松本りおはグイグイいくタイプである。
「りお、嬉しいのはわかるけど、うちを叩かないで、痛いから」
嬉しいこととか悲しいことなど感情が大きく動いたときは手足を大きく動かしていないと落ち着かない、馬鹿みたいなタイプである。
「あれ、海里やん。名簿にお前いたっけ?」
海里と直也は少し仲がいいが、一緒に遊ぶほどでは無い仲である。
「なんか俺だけ後から追加されたのか知らんけど、”い”ちかわなのに1番最後に名前あったわ。」
そんなこんなで、4人の恋物語、スタートである。
