恋の雨宿り


え・・・。どうして名前・・・。折りたたみ傘を受け取る紅羽君は普通だった。聞くしかない!


「なんで名前知ってるの!?」
「菜野花ちゃん人気だよ。知ってるよ。」
「いやいや、紅羽君の方が人気すぎでしょ!」
「俺の名前知ってたんだ。」


私が人気なわけないよ!有り得なさすぎる!


「名前知ったの今日だけどね。」
「俺は昨日から知ってたよ。」


いや、なぜ!?昨日の1日で・・・。どうしてだ?紅羽君が分からなすぎるよ。途中まで一緒に帰ろうということになって、並んで歩く。


「あ、そうだ!紅羽君!」
「ん?なに?」
「傘を貸してくれたから、私に何かお願い事ない?お礼になんでも叶えるよ!」
「いや、悪いよ。」
「いいのいいの!私がそうしたいから。ね?」


手で顎を抑えて悩み始める紅羽君。そんな姿もかっこいい。思わずニコニコしちゃう。


「じゃあ、もしもの時が来たらお願いしようかな。」
「OK!その時は教えて!」
「うん。じゃあ、俺はこっちだから。じゃーな。」
「うん!バイバーイ!」


手を振ってお別れをした。今私・・・。紅羽君とお話したんだよね!?しかも、名前で呼ばれたっ!今日のことを忘れないように日記つけよう。紅羽君の声は低いけど優しい。もう、幸せすぎた。また話せる機会があったらいいなぁ。香魅坂学園って最高!!!



「紅羽君と・・・菜野花ちゃん?」