恋の雨宿り


返したいと思ったものはいいけどさ、・・・。
もう帰っちゃたかな〜?私、掃除当番だったし。
とりあえず隣のクラスを覗いて見よう!そう思ってチラッと顔を出す。でも、いたのは女子の5人グループ。


「どうしたの?あの子。」
「隣の転校生でしょ。月音様といたから知ってる。」


ええい!知られてるんだったらもう行っちゃえ!てか、月音って様呼びされてるんだ・・・。さすが。


「あの、紅羽君ってもう帰ったかな?知らない?」
「知ってるよ。多分、屋上だよ。呼ばれてたから。」
「告白だよね。最近多いじゃん。」


告白か・・・。私なんてされたことないよ。やっぱり頭が良い人とか運動神経が良いとモテやすいのかな?いや、違うな顔や性格とかだろうなぁ。


「あ、私、春衣 菜野花。よろしくね。」


こうして5人と仲良くなった後、私は生徒玄関で待っていることにした。決めたことはその日のうちにに絶対にやる!明日からという文字は私には無い。それでも、なかなか紅羽君は来ない。
いや、待つ!来るまで待つよ!
私のメンタル舐めないでよね!そこから約10分。紅羽君の姿が見えてきた。良かった。やっぱり帰ったかと思ったよ・・・。私は走って紅羽君の近くまで行く。


「あの!」


私の方を向いたのは、あの時の紅羽君だった。私は急いでカバンから折りたたみ傘を取り出す。いつ会えるか分からなかったから入れといたのだ。まさか次の日に会えるとは予想外だったげどね。


「昨日、貸してくれてありがとう!」
「あぁ、菜野花ちゃんだよね。どういたしまして。」