そう言って夏希ちゃんは列に並びに行った。夏希ちゃんが走るのは6番目。ちゃんと見守ろうと思う。


「菜野花ちゃん!」


ん?誰か呼んでる?だけど、後ろを向いても誰もいないから気のせいかな。と思った瞬間、走っている足音が近ずいて来る。その姿は、一昨日に会ったばかりで、しばらく学校を休んでいた紅羽君だった。


「菜野花ちゃん!」
「あ、紅羽君!?もう体調大丈夫なの?」
「うん、もう大丈夫だよ。一昨日はありがとうね。」


笑顔でピースをして完全復活と言う紅羽君がカッコ可愛い。元気そうで良かった。


「じゃ、今日は負けないよ。」
「病み上がりだからお手柔らかに。」
「それ言われると本気出しずらいんですけど・・・。」
「嘘だよ。本気出してね。」


紅羽君はお腹を抱えるぐらいに笑う。それはそれは長くね。絶対にからかわれてる・・・。


「じゃ、またね。友達応援するんでしょ?」
「うん!また後で!」


バイバイした後、自然とにやけてしまう。


「体育祭、楽しい。」