「菜野花ちゃん!菜野花ちゃん!」
「わっ!何?」
「ずっと呼んだんだけど」
「うわ〜ごめんね!」


まずい。完全にぼーっとしてた。
実を言うと、昨日会った男子がずっと頭から離れなくて。どのクラスなんだろう。先輩だったりして。


「菜野花、もしかして・・・。」
「月音!いつからいたの!?」
「もしかして私にも気づかなかったの?」


いたのか・・・。雪宮 月音(ユキミヤ ツキネ)。
スタイルも良くて美人です。藤色の真っ直ぐなロングヘア。目の色は綺麗な青紫色。女子は誰でも憧れる、男子は誰でも惚れる、老若男女で愛されヒロインのような存在感。


「月音、ごめん!」
「で、何考えてたの?」
「それは〜・・・。」


言えないよ。昨日会ったばかり、しかも名前も知らないイケメン男子が気になるなんて。


「好きな人でもできた?」
「違うけど・・・。そういう月音は?」
「気になる!教えて月音ちゃん!」
「いや、いないけど。」
「「え〜〜!!」」


月音はまあ、好きになられる側だからな〜。いいよな。私もモテたい。もし月音に彼氏できたら絶対にいい人なんだろうな〜。


「そういう夏希は?」
「私は見守る側に徹するよ。」


夏希ちゃんのことを知れば知るほどいい子だな〜。なんか、心が洗われるようだよ。


「はるはる〜」
「あっ!咲薇ちゃん!」


百瀬 咲薇(モモセ サクラ)ちゃん。ゆるキャラのように可愛い。とにかく可愛いんだ!桜色の髪色で髪型はワンポイントの三つ編み。萌黄色の瞳を持っていて、見た目は可愛らしい桜!本人も桜が大好き。最近はさくらんぼをよく食べてるんだって。でも桜は鑑賞が好きで桜餅とかは苦手らしい。


「聞いてよ!隣のクラスの紅羽君がね!体育館でバスケしてるって聞いたの!行ってみない?」
「お〜いいね。行こうか。」
「紅羽君がバスケするの珍しいもんね〜。」


紅羽君?待って。話についていけないんだけど。紅羽君って?隣のクラスって言ってたよね?


「あの・・・、紅羽君って?」
「さすがに転校して来て2日目だからまだ知らないか。紅羽 凪(アカバネ ナギ)。学校1の人気者だ。」
「うんうん!学力も1!運動も1!とにかく完璧過ぎる。」


へ〜。そんなに人気なんだ〜。


「とにかく行こう!」
「咲薇ちゃんは紅羽君のこと好きだもんね。」
「違う!ファンなだけ!」