普段怒らない人を怒らせるとヤバいことがよく分かりました。紅羽君を怒らせないように頑張ります!
「菜野花ちゃん、もう帰ろうか。」
「え、・・・うん。」
ひたすら泣くミラちゃんを置いて私たちは学校を出た。紅羽君と無言のまま駅に向かった。ひとつ言いたいよ。めっっっちゃ気まずい!チラチラと紅羽君の横顔を見るけど普通なのはなぜ!?
「今日はなんか、ごめんね!紅羽君!」
「大丈夫だよ。気にしてない。」
「うん、あ、ありがとう・・・。」
・・・。会話が終わったぁぁぁ!嘘でしょ!?会話が続かない。待って待って、気まずいよ〜。話しかける気力がなくなり、結局、駅までずっと何も話すことは無かった。電車が来るのを待つが、スマホの充電がなくなって電源がつかない。何もすることがなくて、ただボーッとしているだけだった。
「あのさ、菜野花ちゃん。」
「・・・え?何?」
突然話しかけてくるからちょっとびっくりした〜。紅羽君を見ると、とても整っている顔が真剣な表情に少しだけドキッとした。何でそんな表情なの?
「どうして何も相談してくれなかったの?」
「相談?」
「そうだよっ!!!」
もしかして私が脅迫されたことを知ってる?でも、何も話してないよね?どういうこと?私は首を傾げるばかり。紅羽君はそんな私を見て、小さなため息をした。
「菜野花ちゃんを探してる時、美波さんが教えてくれたんだ。脅迫の手紙のこと。」
「そうなんだ。教えなかったのはただ、迷惑かけたくなかった。紅羽君を巻き込みたくなくて。」
それに・・・紅羽君を味方につけても相手はずるいと思うかもしれない。さらに火に油を注ぐ訳には行かない。まぁ、後から紅羽君が来たけどね。
「迷惑じゃない。むしろ言ってほしい。」
「え、」
「1人で抱え込まないでいいよ。これは俺の問題だからね。もっと頼って。」
それに、と言いながら、紅羽君は私の頬を両手に挟んで優しくギューッとする。
「菜野花ちゃんのお願いなら何でも大歓迎!」
そう言った紅羽君の笑顔が眩しいくらいで、私は心臓の音が高鳴り、紅羽君にギュッとされた頬っぺが真っ赤になっていることが自分でも分かった。
「紅羽君はずるい・・・。」
「そういう菜野花ちゃんもずるいと思う。」
「なんでよ!」
2人で目が合って、笑いあった。これ、なんの言い争いなのよ。おかしくてたまらない。紅羽君も泣きながら笑っている。今この瞬間、時間がとまればいいのに。
ミラちゃんのことはショックだったけど、紅羽君と
の仲が深まって忘れられない1日だった。
