「奏汰が1番最初でいいんじゃね?」
「いいや、夕陽の方が早いだろ。」
夕陽に呼ばれた子は橘 奏汰(タチバナ ソウタ)。
灰色で短髪の理系男子。漆黒の瞳。絶対隠れ主人公ポジションでしょ。足速いっぽいし。
「分かった。私が決める!」
「「 はぁ!? 」」
「私は菜野花ちゃんの言う通りにするよ!」
だって、そこの男子2人が遅いから。
「1番夕陽!2番ミラちゃん!3番奏汰!これで良いと思います!何となくで申し訳ないけど。」
「適当かよ。」
「もう、何でも良い。」
あの、リレーする時は本気出してよ!?私、こう見えて負けず嫌いなんだから!
「菜野花ちゃん、私頑張るよ!」
「ミラちゃ〜ん。私、ミラちゃんだけは応援するよ!」
「「 なんでだよ!? 」」
とりあえず本気に走らないけど軽く実践。ある程度間隔を取って順番通りの位置に着く。本番でバトンミスにならないようにしなくは・・・。
「走るぞぉぉ!」
夕陽が走り始める。結構早いな。そしてミラちゃんにバトンが渡る。ミラちゃんも早い。まあ、私を入れたここの4人は50m走7秒〜6秒台の人だけだからね。ミラちゃんも奏汰にバトンタッチ。よし、次は私。近ずいて来たら、手を後ろに伸ばしながら少し前に走る。手にバトンが渡されたら大ダッシュ!
ちょっと走って私は止まった。練習だからね。
「バトンミスはならないだろうな。」
「とか言って、なるなよ!奏汰。」
「お前もな。」
うん、バトンミスは全員が気をつけるんだよ。正直にいうとバトンタッチは良かったと思う。
「菜野花ちゃん、選抜リレー頑張って優勝しよう!」
「うん!ミラちゃん、頑張ろうね!」
選抜リレーの練習、頑張るぞぉぉ!!おーーー!
「菜野花だったら大丈夫かな〜?咲薇。」
「多分としか言えない。」
「そうだよね。とりあえず菜野花ちゃんに言おう!」
これから起こることに何も知らないまま、体育祭のことで頭がいっぱいだった。
「早く体育祭来ないかな〜。」
