いや、絶対足速いでしょ!
そう、なんと紅羽君と同じでアンカーなのだ。う、泣きたい。月音達は面白そうにドンマイとか言ってきたし。今すぐ誰かと代わりたい。さすがの私でもネガティブになるよ。
「ねぇ、菜野花ちゃん。」
「ん?どうしたの?」
「紅羽君と同じアンカーで大丈夫?」
「正直に言うと大丈夫じゃない。自信ないよ。」
今、一緒に話しているのは同じクラスの選抜メンバーの虹輝 美来(ニジキ ミライ)ちゃん。通称、ミラちゃん。薄茶色の髪色に綺麗なポニーテール。目の色は向日葵色。授業中は真面目。
でもそれ以外はムードメーカー的存在でその場が温かい空気になる。とっても穏やかな良い子!
「今日はバトン渡す練習だけだから、走るのは軽くで良いみたいだね。」
「うん。各クラスで練習だし。良かったぁ〜。」
この高校の選抜リレーはそれぞれの軍の1~3年生、各クラス4人ずつが選抜メンバーなる。1年生のアンカーは、2年生に渡して、2年生のアンカーが3年生に渡す。そして、3年生のアンカーで選抜リレーの勝敗が決まる。私本番小さくなるかも・・・。
「よし、練習するか!」
「待て夕陽。走る順番はアンカーしか決まってない。」
「あ、そうだった!どうすんだ?」
私がアンカーになった理由は、クラスの満場一致で決まった。しゃっくりしてたのに、びっくりしすぎて止まったもん。最近、皆にからかわれるんだよ。やめてもらいたい。
