少し遅れて椅子に腰かけた晃洋さんも、どうやらわくわくしている様子が窺える。

そんなに美味しそうかな?
自分で見た感じ、普通のオムライスにしか見えない。


「いただきます」

「あ、はい。美味しいといいですけど……」


一心不乱にオムライスを頬張っている妃織の横で、スプーンを口に運んだ晃洋さんは「うん! 美味しい!」と言いながら次々にオムライスを口に運んでいく。

そんな風に言われると、なんだか照れくさい。


「今まではさ、1人だったし忙しかったしで、まともに食事を摂れなかったけど、これからはこうして3人で食事したいな」

「そうですね。私も、もっと料理練習します」

「そう? 今のままで充分だと思うけど」


野菜スープを啜りながら、晃洋さんはそう言ってくれる。

とはいえ、大切な人たちに作る料理はやっぱり特別。
どうせ作るなら「美味しい」と言って完食してもらった方が、私も嬉しいから。

ふと妃織の方へ目を向けると、いつの間にか完食していて「ごちそうさま!!」と言うと再びリビングで遊び始めた。そんな妃織のことを優しく見守りながら、晃洋さんは私の肩をそっと抱き寄せる。


「毎日2人の顔が見れるなんて、幸せだな」

「私も……幸せです」


そんな風に幸せを噛みしめながら、夕食を食べた。