育児に奮闘していたら、イケメン整形外科医とのとろあま生活が始まりました

私は妃織の頭を撫でながら、晃洋さんがサラリと言ってくれた『また』という言葉を聞いて涙が溢れそうになったけれど、こんななところで泣くわけにはいかない。

涙を堪えながら車へと向かい、すっかり眠ってしまった妃織をチャイルドシートに乗せると、晃洋さんはゆっくりと車を発進させた。


「今日は本当に楽しかったです。いい思い出になりました」

「あぁ、俺もだ。3人で過ごせて幸せだった」


そう言いながら、晃洋さんはルームミラー越しに妃織を見つめる。

ダメ。泣いちゃダメ……。
さっきせっかく涙を堪えたのに、そんな風に言われたら我慢できなくなってしまう。


「……泣くなよ。美優」


窓の外を眺めて誤魔化していたのに、晃洋さんはいとも簡単に私の涙に気が付いてしまった。

今日が終わらなければよかったのに。
そうすれば、まだ3人での時間を過ごせたのに。

こんな子どもみたいなわがままを思ったのは、25年間生きていて初めてかもしれない。


「また来れる。それに、俺がアメリカに行っても関係が終るわけじゃないだろ?」

「はい……。でも、やっぱり……寂しいものは、寂しいです」


ポロポロとこぼれ落ちる涙。
あと1ヶ月後には晃洋さんはアメリカにいて、私のこぼれ落ちる涙を拭ってくれる人もいなくなる。