寝室に移動した私たちはただ夢中で貪りあった。
不安を掻き消すように、安心感を求めるように柾哉さんにねだる。
柾哉さんは私の気持ちに応えるように丁寧に丁寧に愛を施してくれた。
「…柾哉さんっ」
キスをして抱きしめあって繋がって。
嫉妬と不安でぐちゃぐちゃになった私に彼は自身を刻んでいく。
「もっと、して」
「果穂…っ」
繋がったはずなのにそれでもまだ足りないと心が叫ぶ。汗ばんだ広い背中を抱きしめながら彼の腰に絡み付けた脚に力を込めた。すりすりと自分から腰を動かして「もっと」とねだる。
「それ、反則」
「じゃあ、もっと、する」
苦しげに歪んだ表情にまた深く皺が刻まれた。鼻にかかる甘く掠れた声が彼の喉からこぼれ落ちていく。
「茅野には腹立ったけど、果穂がこんなに嫉妬してくれるなら悪くないかも」
そんな柾哉さんの呑気な声に抗議すれば。
「えろい顔で睨まれても全然怖くない。むしろもっと睨んで」
「…どえむ?」
「果穂をもっと乱したいだけなんだけどなぁ」
柾哉さんは繋がったままよいしょ、と身体を起こすと私を脚の上に座らせた。目線の高さがいつもと逆になる。彼の両頬を包んで唇を重ねた。
「す、き」
たった数日会わないだけで寂しさで胸が掻きむしられた夜。会いたくて傍にいたくて、でもまだそこまで図々しくなれない。
本当は毎日ずっと一緒にいたい。
「おはよう」も「おやすみ」も一番に彼に言いたい。
「果穂」と優しく呼ぶ彼の一番でいたい。
肩書きもスキルも何もない。彼に与えられるものはこの気持ちひとつだけ。
「あいしてるよ、果穂」
ふ、と力の抜けた笑みが張り詰めた気持ちを解きほどいてくれた。
深い愛情を湛えた瞳が柔らかく細められる。目尻に皺を寄せて眩しいものを見るかのような視線に泣きたくなった。
「そのままの果穂でいて」
ごちゃごちゃと考えていたことが柾哉さんの一言ですべて消えていく。
「いまのまま、俺の可愛い果穂でいて」
「…っ、うん」
目頭が熱くなる。
胸に込み上げてくる感情がセーブできなくて柾哉さんにしがみついて泣いた。

