「あら〜!じゃあお医者さまなの?」
「えぇ」
「ご実家も医師家系って……果穂でいいのかしら?」
初めこそ私に質問が集まっていたけど、横からサラッと柾哉さんが助けてくれて今に至る。つまり母と姉から柾哉さんが猛攻撃を受けていた。
私のどういうところが好きになったのか、なんて恥ずかしすぎて耳を塞ぎたくなる。
「彼女にも既に伝えているのですが、私自身、実家を継ぐ意思はありません。あくまで自分の医学を突き進みたいので」
「素敵ですね!」
「うむ。千秋さんならずっと突き進めると思います」
基本的にうちの両親は「なんでもやってみな」スタンスだ。母は柾哉さんの見た目で陥落してるし、父は「病気を予防するための医師」という柾哉さんの選択に感銘したらしい。姉から「素敵な人ね」とこっそり耳打ちされ小さく頷いた。
「本日はまずはご挨拶と、近いうちに、同棲することになりそうなのでそのご報告もかねてお邪魔しました」
「どうぞどうぞ。果穂も27歳だし、まどかも優介も結婚したの26とか7だっけ?」
「そうそう。つまり、果穂もいつでもお嫁にいってもおかしくない年齢なのよね」
「なんかずっと俺の中で『優ちゃん優ちゃん』ってくっついてきた小さい頃の印象しかないけど、考えれば27かぁ。感慨深いな」
「というわけで、福原家は全員一致で賛成なので。ね、お父さん」
「う、うむ。まあ、千秋さんなら安心できます」
父が眼鏡のフレームを弄りながら最後をまとめた。にこにこと福原家全員一致の回答に柾哉さんの表情が緩む。
「ありがとうございます。温かく見守っていただけると嬉しいです」
「もちろんよ。果穂しっかり捕まえときなさいよ!こんないい人なかなかいないんだから」
「が、がんばる!」
「こんな素敵な人が義息子だなんて私も嬉しいわ」
母がほのほのと笑っている。
兄から「よかったな」と頭を撫でられて「うん」と頷いた。

