千秋先生は極甘彼氏。


 両親と柾哉さんと食事をとり始めていると姉夫婦がやってきた。上から8才、5才、2才と可愛いざかりの子どもたちも連れて。

 「かほちゃんだー!」
 
 8才の姪の明里(あかり)がかけ寄ってきた。だけどすぐに柾哉さんに気づいたらしい。

 「こんにちは」
 「こ、こんにちは!かほちゃんけっこんするの?」

 挨拶は柾哉さんに、そして後ろの言葉は私に。姪は目を輝かせると誰もが触れなかったことに簡単に触れた。

 「明里」
 「かほちゃんのウェディングドレスぜったいきれいだからあかりもよんでね!」

 姉に「こら」と連れ去られた姪に苦笑する。
 すると柾哉さんは「あかりちゃん」と姪に呼びかけた。

 「…そのときは是非招待するからきてくれる?」
 「うん!かほちゃんからブーケもらうの!」
 「「それはちょっと早いかなー」」

 声を揃えたのは母と姉だ。

 「お、なんだ。姉さんも今か」
 「優介」
 
 そこへ兄の優介がやってきた。奥さんは娘さんのテニスの練習試合がありついて行ってるという。

 「はじめまして、果穂の兄の優介です」
 「姉のまどかです」
 「千秋柾哉です。果穂さんとお付き合いさせていただいてます」

 姉が母と同じく柾哉さんに見惚れていた。続いて『あんたよくやったわね!』と目だけで褒められる。

 「お昼は食べたの?お鮨まだあるわよ」
 「たべるー!」
 「ぼくもー!」

 兄の子ども(5才)と姉の2番目の子ども(5才)は大変仲がいい。そして食欲旺盛だ。

 「俊樹さんもいかが」
 「お言葉に甘えて」

 姉の夫の俊樹さんも「それでは」とテーブルの前に座る。俊樹さんはまだ寝ている姪っ子(2才)をリビングの片隅に置いてあるベビーベッドに寝かせると同じくテーブルの前に腰を下ろした。

 「馴れ初めとかききたいな、果穂」
 「お姉ちゃん」
 「だって果穂と恋愛話したことないし」

 初めて彼氏ができた時、すでに姉は結婚して家を出ていた。ちょうど兄も結婚するしないの話をしていたころだ。だから兄妹で恋バナはしたことがない。

 「…馴れ初めって」
 「どこで出逢ったの?」
 「会社」
 「あら。じゃあ、まどかと同じね」

 母がうきうきしながら聞いている。
 チラッと柾哉さんを見るとニコリと笑われて助けてもらえないと悟った。