「たしかに末っ子っぽい」
「よく言われます」
そして迎えたゴールディン・ウィーク。
世間では9連休と言われる中、私はしっかり平日は仕事をして柾哉さんの自宅に帰っていた。
まさにゴールデン・ウィーク。毎日彼と過ごせるという私にとってご褒美ウィークだ。
洋服もそこそこ移動させて、彼の家に住み着いている。とはいえ特に何かすることもない。柾哉さんを仕事に見送って、何もない日はベッドの上で爛れた生活を送っていた。
「お兄さんといくつ違い?」
「兄とは8つですね。姉とは10離れてるんです」
「あ、じゃあすごく可愛がられたんだ」
「…そうですね。大人になって気づきましたけど結構甘やかされてました」
「でも擦れてないよね。素直だし」
「そ、そうですか?」
「うん」
そんなご褒美ウィークも後半。
私は柾哉さんと実家のある長野に向かっていた。
柾哉さんが「車を出そうか」と提案してくれたけど、高速が混むと大変なのでと丁重にお断りして新幹線に乗った。
東京駅から約一時間半。一泊の予定だったけど柾哉さんの都合がつかなくて結局日帰り。
柾哉さんは私に「ゆっくりしてくれば?」と言ってくれたけど、きっと柾哉さんのことばかり考えてつまらなくなると思い一緒に帰ることにした。
母には事前に『恋人を連れて行く』と言っている。
母は喜んでくれていたけど父は大丈夫だろうか。少し心配だ。
ちなみに姉も兄もすでに既婚者で実家にはいない。
とはいえ、二人とも長野市内に住んでいるので『果穂が帰ってくるなら顔を出すわよ』と母が言っていた。
柾哉さんの言うとおり、現在進行形で姉にも兄にもとても可愛がられているみたいだ。
「お母さんすごく喜びそう」
「そうなの?」
「うん。イケメン好きだから」
柾哉さんが苦笑している。否定しないあたり自分がイケメンということを自覚しているようだ。
(そもそもこれでイケメンじゃないとか言ったら謙遜を通り越してただの嫌味…)
「果穂は俺をイケメンだと思ってくれてるんだ」
「普通に思ってますよ」
「ふーん」
柾哉さんは口元に拳をあてると横を向いた。その耳が少し赤くなっていることに気づく。
「……かわいい」
「…果穂はいつもそれ言う」
「だって、柾哉さんかわいいから」
繋いだ手をぎゅっと握りしめる。
車を運転しているとできないけど今日は別。だからずっと手を繋いでいる。

