千秋先生は極甘彼氏。


 
「果穂」
 
 絶え間なく落ちてくるキスの合間に呼ばれる名前。視線だけで返事をすれば同じく瞳だけで微笑まれる。広い肩に抱かれて、唇を重ねる。彼の手が指が宥めるように私の頬や髪を梳いた。

 角度を変えて何度も舌を擦り合わせて呼吸を荒くする。熱い眼差しを見返せば嬉しそうな視線に身を捩った。

 ただ見つめられているだけなのに全身で愛撫されている気がして体温が一度上がる。まだキスしかしていないのに、身体が熱くていろんなところがうずうずして。このままでは身が持たないかもしれない。

 「っ、ま、柾哉さん…っ」

 身体が熱くてどうにかしてほしい。彼の腕を掴んだ手に力をこめて訴えた。それなのに彼は小さく笑うだけ。見下ろされた瞳に「まだだめ」と返される。

 「ぁ、」

 わずかに傾いていた身体がしっかりとベッドに縫い付けられた。千秋先生の頭が私の胸元に落ちる。熱く濡れた唇が鎖骨をたどり首筋を撫でるとまた唇にキスをくれた。

 「…っ、ふ」

 しっかりと唾液を絡めたキスに頭が朦朧とする。千秋先生の唇が今度は首筋から鎖骨、胸元に降りていく。

 「っ、まって」

 胸の膨らみに素通りした彼はお腹からその下へ頭を動かした。レースに隠れた向こう側が緊張する。彼はそのまま唇を滑らせると内腿の柔らかい場所に唇を押し付けてキツく細く吸い込んだ。

 「っ、」

 チクリ、とした摩擦熱。何をしているのか経験がない私でもわかる。
 彼は内腿やふくらはぎ、背中を向けられて腰や背中うなじと色んなところに痕をつけ始めた。

 「あ、っ」

 うつ伏せになった私の背後を丁寧にキスが落ちていく。熱く柔らかな唇に触れられるだけで、体温が一度上がった。

 「真っ赤」

 羞恥に悶えた私を見下ろして彼が笑う。まだ下着はつけたままでただ全身にキスされただけなのにこうも息を乱されるものなのか。私にはわからない。

 「かわいい」

 背中に伸びた手がさりげなく胸の締め付けを緩める。自由になった胸が伸びをするように彼の手のひらの中で揺れた。

 「ぁ、っ…っ」

 親指の腹が敏感になった尖りを撫でる。声を押し殺して腰を捩って彼に抗議をした。こんな優しくそろりと撫でないでほしい。どうせならもっとしっかり触ってほしいのに。

 「果穂」
 「ぁ…っ、ああっ」

 唇が胸に、腹に落ちるたびに腰が揺れる。もうさっきからずっと全身を撫でられているせいで今はどこに触れられても反応してしまう。名前を呼ばれて視線だけで返事をすれば彼は意地悪く笑うと控えめに開いていた私の脚を大きく開いた。