千秋先生は極甘彼氏。


 「お、お待たせしましたっ」

 外に出れば千秋先生は車にもたれかかり、携帯を触りながら待っていてくれていた。

 「待ってないよ。それよりさっきから」
 「わ、わざとだもんっ」
 「だもんって」

 千秋先生が苦笑する。「トランクに入れるよ」と私の持つ鞄に手を伸ばした。

 「それは煽ってるってこと?」
 「……ご想像にお任せします」

 俯いた視線をゆるりと上げる。彼は困っていたけど気にしない。もっと困ればいいんだ、ぷん。

 「良いように捉えるよ?」
 「うん」
 「……なに、どうしたの急に」

 急にもなにもないもの。

 好きだからそばにいたい。イチャイチャしたい。いっぱいくっついてキスして、その先も…。

 「…はしたないって思う?だめ?」
 「駄目じゃないよ。むしろ嬉しい」
 「だったら」
 「…可愛すぎて困る……調子に乗らないように必死なんだよ、分かれ」
 
 千秋先生の手が伸びてきて髪をくしゃっとされた。幸い髪を緩く巻いただけだし、今日はもう千秋先生の自宅に戻るだけ。
  
 ってか反応が可愛いすぎる!
 分かれって言われても分からないよーー
 けどその言い方好き!

 「わ、わからないもん!ちゃんと言ってよ」
 「わかったわかった」
 「あー、その言い方わかってな…ふぉ?!」

 片手で両頬をむにっと掴まれて間抜けな声が溢れた。たこちゅーみたいに突き出た唇をはむっと咥えられる。

 「ちょっと黙って。あとドン引くとか無しだから。いい?」

 頬をむにゅっとされたままうんうんと頷く。千秋先生は満足したのか、トランクを開けて荷物をしまった。その足で助手席に回り扉を開けてくれる。

 「はい、お姫様。シートベルトはご自身でお願いします」
 「……柾哉さんもほっぺチューしたくなった?」
 「……フリってわかるでしょ」
 「してくれないの?」
 「…あとで噛んでやるわ」
 「……っ!!!♡♡♡♡♡!!!」

 どうしよう、お母さん!
 果穂は今夜噛まれてしまうようです(歓喜