「ほのか!」

いつも通り授業を受けて帰ろうとした時、私は教室のドアから呼ばれた。

まだ教室に残っていた人がそっちを見る。

一部の女子は途端に目を輝かせた。

「あ、さつき」

「ほのか、帰ろ。今日俺部活ない」

頷きかけた時、聞き慣れた黄色い声が飛ぶ。

「颯樹先輩じゃん!見られてラッキー!」

「ほんと、まじかっこいい」

さつき、羽田颯樹は高2の幼馴染。

幼稚園くらいからの知り合いでずっと仲良くしている。