「何、してるの?」

私は突然聞こえた後ろからの声に振り返った。

そこには驚くほど綺麗な男の人。

「何、してるの?」

もう一度その人が心地良い低い声で聞いた。

私は見入ってしまっていたことに気づいて慌てて答える。

「景色を見てただけです」

ここは高台になっている公園。

私は柵に寄りかかって夕焼けに染まる空や街を眺めていた。

「なんだ、よかった、それだけなら」

「はぁ」

「じゃあ、またね」

そう言って彼は静かに立ち去った。

…「またね」?