haruka視点


「待って!」


違う、違うの。

私は陽葵ちゃんを追いかけた。


パシッ。


「つ...捕まえた.....ハァ...」


二人共息が切れている。


「何?」

「違うの、あれは...」

「大丈夫だって、誰にも言わないから」


そう言って笑う陽葵ちゃん。

目に涙をいっぱいためて。

精一杯笑う陽葵ちゃん。

そんな顔しないで...。

私は抱きしめてしまった。

けど離れられてしまった。


「思わせぶりな態度...取らないで.....期待しちゃうじゃん」


そう言って陽葵ちゃんはぐしゃぐしゃ泣き顔で精一杯笑って行ってしまった。


「.......期待してよ」


陽葵ちゃんの背中にそっと呟いた。

さっきのキスは...ふいにされてしまった。

咄嗟に振り払ったけど陽葵ちゃんに見られてしまった。

一番見られたくない人に。