「ちょっとちょっと...何やってんの.....」


あたしが雑巾で廊下を拭いていると遥が来た。


「あぁ、こぼしちゃって(笑)」

「違うわよ、またそんな格好で...」


遥は首にかけていたタオルをあたしの肩にかけてくれた。


「ちょっとこっち来て」


そう言って連れて来られたのは職員のロッカー。


「これ、汚れてもいいから」


そう言って遥はTシャツを貸してくれた。


「.......ありがとう」

「ふふっ」

「???」


遥が笑った。


「いやね、最初は派手な髪色に派手なメイク。口も悪いし、すっごい印象悪かったのね」

「ひっどいなー(笑)」

「けどすっごい一生懸命で、すっごいドジだよね、陽葵ちゃん」


そう真っ直ぐ見つめられたらその綺麗な瞳に吸い込まれそうだ。


「それ、褒めてるの?(笑)」

「うん、褒めてる(笑)」

「あ、そろそろ戻らなきゃ筆洗えなくて困ってるんじゃない?」

「ほんとだ。ありがとう」

「ん、頑張って」

「はーい!」


あたしは教室に戻った。