この『恋』の言い換えをするならば『瑕疵』(かし)です


先輩がシャワーしてる間

ひとりになった部屋で考えたのは

お兄ちゃんのことだった



思い出さないようにしてた



困った事もないし
ずっと連絡してない



お兄ちゃんもきっと
私の事なんか心配してない



ドッ…ドッ…ドッ…



熱くなった身体

膝を抱えた



先輩がシャワーから戻ってくるまでに
冷めますように…



ドッ…ドッ…

ドッ…ドッ…

ドッ…ドッ…



ペットボトルを頬にあてた



覚えてない…そう言ったのに
忘れられない

あの日のお兄ちゃんが