この『恋』の言い換えをするならば『瑕疵』(かし)です


「えー、マジかよー」



「どーしたの?」



「姉ちゃんが
駅前の手羽先買って来いって」



「駅前のって
あのすごい並んでる店だよね?」



「そーそー…
姉ちゃん、あそこの手羽先好きなんだ
マジ、最悪」



「私も一緒に並ぶよ」



「いいよ
坂寄は先に帰ってよ」



「うん…」



私、送ってもらえないんだ

いいけどさ



「ねぇ、中山ってお姉ちゃんと仲いいの?」



「悪くはないけど、良くもない
姉ちゃんの言う事は絶対だから」



「言う事きかないとどーなるの?」



「殴られる」



「ハハ…」



「いや、笑えないから」



「ねぇ、お姉ちゃんとキスしたいとか
思ったことある?」



「は!?マジキモいわ!」



「中山、声裏返ったし」



「だってありえねーもん
なんかあるとすぐ死ね!って言う人だよ」



「それは愛情の裏返しかもよ
ホントは中山のこと好きで…」



「は?キモ!キモ!キモ!
想像もしたくない
坂寄何言ってんの?
オレにヤキモチ妬いてくれてんの?
オレと姉ちゃんはそんなんじゃないから!

オレは
ちゃんと坂寄のこと好きだから…」



「うん…」



ヤキモチとかじゃなかった



キモ!って言葉に傷付いた

自分が言われたみたいで



みたいじゃなくて
言われたんだ



お兄ちゃんにキスされたかもしれなくて…
ビックリしたけど嫌じゃなかった

ドキドキして
昨日は眠れなかった



私は
やっぱりおかしい



知られたら中山に嫌われるだろうな



「坂寄…」



中山が近かった



昨日のお兄ちゃんを思い出した



お兄ちゃん
アレはキスじゃなくて事故だよね?



お兄ちゃん酔ってたし…

私しか知らないこと



なかったことにしよう



「中山、そろそろ帰る?」



「え…」



「手羽先、買わなきゃでしょ」



「あ、あーそーだね…」



アレ?

今いい雰囲気だった?



私が #キス ってワード出したのに…

誘ったと思われたかな?