この『恋』の言い換えをするならば『瑕疵』(かし)です


「あー、また負けた…」



「漸ちゃん腕をあげるどころか
また下手になったね」



今日は4勝1敗


私の圧勝



「受験生はゲームしてないで勉強しろ」



「勉強もちゃんとしてるよ」



「暗くなったし、オマエそろそろ帰れ
お母さん心配する」



「あ、負けたからいじけたの?
もぉ子供じゃないんだから大丈夫だよ
漸ちゃんとこ行くって言って来たし…」



「いいから、そろそろ帰りなさい」



なに?その言い方

お兄ちゃんぶっちゃって



ん?もしかして…



「あ、これから彼女来るとか?」



「彼女いないって…」



「漸ちゃんすぐできるじゃん」



「瑛茉、悪いけど
ホントに帰って…」



そんなに帰ってほしい?



「え…漸ちゃん、どーした?」



「なんか、寒気する」



「え!このアパートおばけ出る?」



「そーゆーんじゃない
なんか、体調悪いかも…」



そ~言えば漸ちゃん顔色悪いかも…



「熱あるの?
寒い時って、これから熱出るんだよ
誰か言ってた」



「誰かって、オレだろ」



「あ、そーだった」



私が中学生の時
朝、寒気がするって言ったら
漸ちゃんが学校休んで一緒にいてくれた


その後ホントに熱があがって
お母さんが仕事から帰ってきて病院に行った



次の日、漸ちゃんが熱が出た


私はすぐに治ったのに
漸ちゃんの方が重症だった


そんなことあったよね



「漸ちゃん
私、今日ここに泊まる」



「は?
泊まられても
ご飯も作れないし…
ホント、帰って
マジ、具合悪いかも…
送れないけど、ひとりで帰れる?」



「ご飯なんてどーにかする
漸ちゃん具合悪いんだから
もちろん迷惑掛けないよ
あの時みたいに
漸ちゃんが私にしてくれたみたいに
漸ちゃんの近くにいたい」



「あの時…?」



「漸ちゃん覚えてないか
私はまだ覚えてるよ!
一緒にいてくれてすごく安心したし
漸ちゃん温かかった」



「あぁ…覚えてるよ」



「だから、泊まるね!
とりあえずコンビニでなんか買ってくるから
漸ちゃんはベッドで寝ててね!」