トントン…
「瑛茉…?」
お兄ちゃん
来ると思った
「なに…?」
数年ぶりにお兄ちゃんが帰って来てるのに
なに?ってなに?
言ったあと自分でそぉ思った
「お風呂…いいよ」
「うん…あ、今友達と電話してるから…
お母さんに先に入ってもらって」
「あ…ごめん…」
ごめん、お兄ちゃん
友達と電話なんてしてなかった
そう言ったら
顔を合わせなくて済むって思ったから
ドッ…ドッ…ドッ…
お兄ちゃんにまで
聞こえてるんじゃないかってくらい
胸が鳴る
ドア1枚向こうに
好きな人がいる
会いたいのに会いたくない
話したいのに何を話していいかわからない
伝えたい気持ちは伝わったらダメな気持ち
だから
もぉ…なにもない
やっぱり近くにいたら
苦しくて辛い



