「あの、もしかして熊さんがお姉ちゃんを亡くしたことも?」
本田さんはえぇ、と頷いた。
「私、余計なこと」
「言ったでしょ?利用するようなことしてしまったって。
私は森野と違って警察庁で仕事しているけれど警視庁には良く来るし、森野の指揮に部下が戸惑っているのも知ってたから、仕事を円滑にするためにももう少し歩み寄るよう言ってたけれど無視されてて。
森野も無慈悲な熊じゃなく、同じ血が通った人間とわかれば少しは部下達の見方もかわるのに。
多分さっき乙女ちゃんが来たことで事情を話しただろうし、これで雰囲気が良い方向に変わると良いんだけど」
困ったように笑う本田さんを見て、何故かもやもやする。
本田さんはお姉ちゃんより遙か前から熊さんと知り合いで、熊さんをよくわかってて、熊さんの仕事がしやすいように気遣って動いたんだ。
その熊さんへの思いがどこから来るものなのか、気になってしまう。でも聞きたいことは山のようにあるわけで。



