乙女と森野熊さん



「森野はね、私と同期で警察庁に入庁したの」


「警察庁?」


「この場所は警視庁、言ってみれば神奈川県警とかと同じく東京都警察、都道府県にある警察の一つであって勤めるのは地方公務員が主。

私と森野はその全国の警察をまとめる立場にある警察庁に所属していて、国家公務員なの。

自分が言うのもアレだけどいわゆるキャリア組、幹部候補生ってやつで、地方公務員は巡査から階級はスタートだけど私達は一気に警部補からスタート。

森野は同期でも最速昇進しやがって私より先に警視よ」


急な話しについていけない。


「あの、熊さんが窓際の席でずっと仕事と言っていたのは」


「幹部は窓際の大きな席になることもあるし、森野はまさに窓際一等席に座っているからね。統括する立場の人間はまず現場には行かないしデスクワークは確かに多いの」


「以前、府中に飛ばされてずっと勉強ばかりで身体がなまるって言っていたんですが」


「あぁ、昇進するときは東京都府中市にある警察大学校で一定期間研修があるの。それが終わって警視に昇進、警視庁に配属って流れだけど、それが森野は結婚直前での辞令でかなり忙しい状況だったから。

森野ってただでさえ無表情な上に合理主義者でプライベートの話しを一切部下にもしないから、突然あの仏頂面の熊男に美少女が手作り弁当持ってきてるの見てみんなが面食らってたのは実に面白かった。

ごめんなさいね、利用するようなことしてしまって」