「私、自分と向き合おうとしてなかった。自分だけじゃない。周りとも向き合ってなかった。いつかは終わる。だから、何にも興味を持たないで何も期待をしないで、過ごそうって。だから、あなたとも向き合おうとしなかった。」

 私は今まで自分の人生について何も考えてなかった。死ぬも生きるもどっちでも良かった。

「ねぇ、さっき探してたって言ったよね?少なからず僕のことは必要としてくれてたってことでしょ?それって興味を持ってくれてるんじゃん?僕嬉しいよ。僕が自ら命を絶ったのは、そうしなきゃいけなかったから。ただそれだけ!大丈夫。また会えるから。」

 シェアトはとびっきりの笑顔で笑って見せた。
すると、前に光が降り注いだ。

「ほら。そろそろ決断する時だよ。生きたい?このままがいい?今の君なら答えが出てるはずだよ」

 私は…私は…!

「生きたい!ちゃんと自分の人生と向き合ってみるよ。確かにいつかは終わるかもしれない。期待して傷つくこともあるかもしれない。それでも、1度きりの人生、楽しんでみるよ!ありがとう、シェアト。前も今も救ってくれて。」

「そう言ってくれると思ってた!きみはきみらしく傷つくことを恐れず、1歩1歩進んでいけばいい。嫌になったら過去を振り返ってもいい。休んでもいい。けど、自ら命を絶ったり、心を殺したりしないで。周りを見てごらん。味方は沢山いる。たとえ孤独になったとしても。生きることを諦めないで。」

「ありがとうシェアト。私頑張るよ。もう迷わないし、忘れない。」

 そういうと、自分の体が透明になっていくのが分かった。

「そろそろ時間だね。近くで見守ってるから。少しの間さよならだね。」
 シェアトの言葉を最後に私は空に消えていった。