「着いたよ。ここはどこか分かるかい?」

 ここ知ってる…私が唯一私で居れる場所…確かここで…
「僕と会った場所だよ。スピカ―ううん、陽葵。君の名前は星野陽葵。」
 
ほしのひまり――

「あの日…生と死の狭間に君が現れた時はビックリしたよ。スピカ…陽葵は自ら命を絶つような子じゃないからね。陽葵はどうして、あの空間に来たんだい?一体何があったんだい?」

「ちょっと待って!私が星野陽葵ってことは思い出した。けど、あなたの事は思い出せないし、あの日のことは本当に分からないの!」

 私は、覚えてないことが怖くなり、つい大声を出してしまった。