「まずは、ここから出て、スピカが居たであろう、世界に行こうか。」

「え?ここから出て、本当の私がいる世界?に帰れるの?」

「まさか。ここから出るのはほぼ不可能だと思ってもらっていいよ。今から行くところは、架空の世界。そう、人はもちろん、生物も何もいない世界だよ。」
ここから出れない…出れなかったらどうなるんだろう…

「ねぇ、出れなかったらどうなるの?出るにはどうしたらいいの?」

「そうだね…ここから出るには、スピカの帰りたいって強い意志が必要なんだ。そうじゃなければ、スピカは死んじゃうんだ。」

「おや?不安そうな顔してるね?スピカ。大丈夫だよ、僕が絶対にスピカを死なせたりしない。」