君の言葉で朝焼けを迎える

「そ、その。」

人を前にすると口が上手く回らない。唇が震えている感覚もあり、パニックで目も泳いでいる。


「お〜い。こっち向け」

頬を手で挟まれて首の角度を90℃グキッと変えられた。手は人の体温であったたかった。


目が合ってしまった。慌てて逸らす。

人とはもう目が合わせることができないような体になっている。体ごと反応しているかのような感覚だ。


「えっと、去年来れなかったから今年もあまりもう参加しても・・・。」

口をモゴモゴと動かす。 ああ、やっぱり人と話すことは私には難しいのか。


「何いってんの?まず、入れよな。」

繋がれた手をぐっと引かれた。驚きで体が硬直する。足に頑張って力を入れて腕を離してもらえるように体をドアから離れた位置に引っ張ろうと努力をするが、男の子の力はやっぱり強い。