君の言葉で朝焼けを迎える

文芸サークルの退部届も出さないと、やらないといけないリストに追加された気持ちは沈んでいく。


1日が終わった頃は疲れていて文芸サークルの退部届も出さないといけないため、いつも文芸サークルが行われていると言われている交流館へと足を運んだ。


「2-3組の佐野奏です。去年は活動に参加できなくて申し訳ございませんでした。 勝手ながら退部届を提出させていただきます。宜しくお願い致します。失礼しました。」


間違えては嫌だから呪文のように練習をする。


階段を上がり、交流館とプラスチック製のプレートが壁にはめ込まれている扉に恐る恐る近づく。


扉の前でずっと練習をする。 まずは3回ノック、そして退部届について説明してその場から消える。


それだけだ。拳をぎゅっと握りしめる。これさえ終われば良いから。


一呼吸してからドアノブに手をかける。


「ねえ。お前ちと前に会ったやつ?」


っはあっっ。息を深く吸い込んで後退りしてしまう。


「あ、イケメンな先輩・・・。」


ここで会うなんてタイミングも場所も気まずい。でも銀髪の先輩は陸上部だから交流館にはたまに来ているのかな、と
思考を巡らせる。


「え、俺? なわけねーだろってそれ退部届?」


痛いところを突かれた。