「汐浜駅、汐浜駅到着です。」


アナウンスの音声が流れ、それに合わせてみんな改札を通り抜け、学校へと向かう。


新一年生の新品で綺麗な制服がちらほら見えている。


私が通っている星蓮学院はセーラー服を冬服として扱っている。


ちょうど一年前は先輩方からはこう見えていたのか、となんだか2年生になった気分になる。


今年は階が一つ上の3階となる。クラス分けは校門前に貼ってあって人がたくさん集まっている。


「佐野奏、佐野奏、、、あった。」



私の名前が印刷されていたクラスは2-3組、知り合いはいない。


去年同じクラスの人とは入学一ヶ月以降一度も話していなかったから。


革靴を脱ぎ、自分の靴箱を探した。


靴箱はかなりキレイで驚いた。


ほこりでも溜まっているのかと思っていたから。


掃除、去年の人がしてくれてたのかな、と勝手に考えながら一年ぶりに踏む階段をゆっくりとあがる。


やっとついた3階は登るだけでも大変であって息切れが半端なかった。


余計に足取りが重くなった私はやっとの思いで教室の前で出席番号表を見つめる。


座席表を読み取るのが下手な私は首を横にかしげ、気がついたら約3分間も紙を見つめていた。