あたしが唯を見た瞬間思ったこと、カッコイイ。

渚も十分カッコよかったけれど、こっちは段違いだった。

仲良くしよう…。

同じ部屋だしね。


「唯!!」

「……ん?」


無愛想な顔を上げて唯は渚を見た。


「コイツ、お前と同じ部屋の薫。美崎薫ってんだぜ。」

「よろしく。」


唯は、あたしの顔をジッと見た。


「…ま、同じ部屋だし、よろしく。お前さぁ、結構、女顔だな。」


唯の言葉に、心臓が出そうになるぐらいびっくりした。


「や、やめろよ、冗談。俺は男だぜ?」

「ま、男じゃなきゃここにはいないよな。薫、部屋まで俺が案内するよ。いい?渚。」

「おう、部屋のことは唯に任せるわ。んじゃ。」


渚と別れて、唯についていった。


「俺らの部屋、一番奥だから。」

「おう、わかった。」


一番奥の部屋まで辿り着いた。

「まぁ、入れよ。今まで俺一人だったし。ちょっと汚いけど。」


唯はやさしくあたしを迎え入れてくれた、ハズだった。

そのときの唯の怪しい表情に、あたしはまだ気付いていなかった。