私のお兄ちゃん season1

その頃、玲蘭と楓は人がいない校舎裏に来ていた。



「話って、何?」



玲蘭はあの噂を流した犯人は楓だと確信していたからすこし、怒り混じりに話した。



「知らなかったよ。伊織の親父、再婚したんだね。君の母親と。」



玲蘭は秘密にしていたはずのことを楓が話しているから、焦る。



「何の話?」


「高橋ちゃんとそう話ししてたじゃん。」


「立ち聞きなんて趣味悪い。」


「近親相姦のが趣味悪いと思うけど。」


「いやらしいこといわないで。そんなことしてない!!」


「本当に?」


玲蘭は昨日の夕方のことを思い出して口籠もる。



「でも、キスはしてたじゃん。すっごく嬉しそうにさ。2回も。」



「辞めてよ!なんなの。」


「いや、おまえこそなんなの。俺たちのバンド、さりなが歌わなきゃ、意味ないのに、
伊織が急にさりなに冷たくなって。混乱してるんだよ。」



「誘惑なんてしてないし、バンドと伊織と逢沢さんのことは関係ないと思うけど。」



「優等生ぶって、伊織に近づいてさ、さりなから強奪しようとするなんて、すげーよな。」



「話を逸らさないでよ。」



「伊織のためを想うなら、これ以上のことはやめたら?」



「あなたには関係ない!!何が言いたいの?」



「忠告してやってんだよ。これ以上伊織と恋愛ゴッコしたって、彼女にもなれないし、結婚もできないんだぜ?」


「そんなこと、あなたに言われなくてもわかってるわ。」



玲蘭が校舎に帰ろうとすると、楓は玲蘭の進行方向に立ち、進路を妨害する。


「どいてよ!」


そして楓は玲蘭を勢いよく壁に追い詰めた。
手でガッチリホールドした。



玲蘭は動揺して、慌てる。



「何よ、離してよ。」



「ねぇ、会長。伊織とも、あんなえっちなキスしたんなら、俺ともしてよ。」



「嫌よ。離して。」



「バラしてもいいの?朝比奈伊織と、雨宮玲蘭は兄と妹の関係なのに、家や学校で性的なことしてイチャイチャしてるんです、って。」



「脅迫するの?卑怯者。」




「脅される方が悪いんだよ。」




楓はそういうとニヤニヤしながら玲蘭の口に近づいてきた。



玲蘭が目を瞑ると、急に楓の気配が消えた。





目を開けると、伊織がいて、楓が頬を押さえて倒れてい