伊織は玲蘭の腕を掴んで、2階へと続く階段を登る。



「伊織???」



伊織は無言だった。
部屋のドアを開けて、玲蘭の腕を掴んだまま入り、玲蘭をベッドにおしつけて、ドアを閉めた。



「伊織。」



「もう、さりなとか、バンドとか、友情とか、どうでもいい。どうでもいいんだ。」



そう言うと伊織は玲蘭の上に跨り、セーラー服のリボンをほどき、前チャックに手をかけた。



「伊織。なにしてるの?」



「玲蘭。」



「伊織。やめてよ。」



玲蘭が拒否の言葉を口にすると、伊織はキスでそれを封じ込めた。




首筋にキスされて、玲蘭ははじめての感覚に、頭がおかしくなりそうになる。




「玲蘭、俺、お兄ちゃん、辞めてもいい?」




「いいわけないじゃん!」




「でも、好きすぎて気持ちが抑えきれない。」




「伊織。やめてよ!」




伊織は無視して、自分の制服のボタンを外し始めた。



「伊織...。」



「玲蘭。玲蘭は俺のこと嫌い?」



「ううん、ずっと好きだった。本当はわたしだって、伊織と.......したかったよ。」



「じゃあ、いいじゃん。」




伊織は玲蘭の敏感なところに触れた。




玲蘭の身体にビビッと何かが走り、甘い声が出る。




「声も、可愛いんだね。」




「やめてよ。変なこと言わないで。」






玲蘭は怖くなった。
自分が欲に取り込まれそう。




もう、身体が拒否してないなかった。





そのとき、玄関のドアが開く音がした。



「ただいまー!」



志穂の声が聞こえてきて、伊織はハッと正気に戻った。