先生が動き出そうとしたところ、奈々が壇上にあがって、玲蘭からマイクを奪った。



「くだらない噂で、私たちの会長をなじるのはやめてください。


恋愛関係のゴタゴタが仮にあったとしても、それが生徒会活動に何が関係があるの?



あなたたちこそ、輪を乱す行動は謹んでください!」



「奈々。やめて。大丈夫だから。」



「玲蘭。」



「ちゃんと、話すから。」




そのやりとりを全校生徒は見守った。



「みなさん、SNSで、私と朝比奈くんのことが話題になり、騒ぎになってしまい、申し訳ありませんでした。


会長として、きちんと皆さまの見本となれるように、今一度、自分自身を省みて、
誤解を受けるような行動は謹みたいと思います。


中学三年生は秋の文化祭が受験前に行う、最後のクラス行事となります。
それぞれ、悔いのないように、思い出を作りましょう。



最後に今後も生徒会の活動にご協力、よろしくお願いいたします。



以上です。
本日は騒ぎを起こして、申し訳ございませんでした。」



玲蘭は深く頭を下げた。



すると一部の生徒から拍手が漏れてきて、それが全体に広がった。



玲蘭はまた目を潤ませて、頭を下げた。



奈々が肩を持って、玲蘭を支えた。



玲蘭は生徒会メンバーのもとへ戻り、修也が1年生から順番にクラスへ戻るようにアナウンスを、始めた。



皆んなが退出してる間、生徒会メンバーは体育館の隅で話をしていた。



「よくがんばりましたよ、会長。」



「ありがとう。みんな。本当にごめんね。」



「でも、あいつら、酷いっすね。公開処刑みたいなことして。」


智之がそう言ったが、
玲蘭は、被害者面もできなかった。



伊織とキスしていたことは事実だ。



この先の身の振り方を、考えなければならないと思うのだった。