「それじゃあ、ミユキさんに宜しくね」

「分かった、キホも気を付けて帰れよ」

「ありがとう。伍一君も部活頑張ってね」

 そう言うと、キホは名残惜しさも感じさせずに、席に鞄を取りに行って一人教室を出て行った。

 俺なんか、微塵も何とも思ってないですよ。いつもキホの態度は変わらず、俺に笑顔を見せてもそれは特別なんかじゃなくて、ただ付き合いが長いだけだからだ。

 分かってるし、分かってるからこそこっちも告白をしないが、異性なんだから、少しは眼中にいれてほしい。

 俺は、ずっとこのままキホのいじわるな幼馴染でいるのか……?